2020/12/03
異国の会社が合わずに2か月で転職した話

香港の大学を卒業し新卒で香港の総勢9人のEdTechスタートアップに就職した話をしましたが、およそ一か月前にここを退職し新しい職場に移っています。この背景には僕の力不足もあり職場の悪いところもあり愚痴っぽくなってしまうのですが、お時間ある方はお付き合いください。

退職理由

結構簡単に人を切る

入社して3週間ほどたった頃だったと記憶しているのですが、先輩のエンジニア一人が業務時間中に副業をしたということでクビになりました。

「業務時間中に副業」これ自体はまあ弁明の余地がなくアウトなんですが、ちょっとその調査の手法が、詳細は伏せますが常軌を逸しており、もはや「執念」を感じさせるものでした。どちらかというと「退職させること」が目的になっているような印象を受けます。本人は与えられた業務自体は終了しているので、考えてみれば本格的な調査で証拠をつかんで退職に追い込む代わりにそういった疑いのある段階で注意・警告してその人をちゃんと業務にあたらせることで、会社に留めておくという選択肢もあるわけです。聞けばクビになったひと、退職に追い込まれた人は前にもちょいちょいいたらしく、「気に入らないから辞めさせたんだろうな」という印象を本人、僕、同僚に与えるのに十分だったわけです。

残念ながらちょうどそのころ、僕はUIUXの実装でデザイナとのコミュニケーションの失敗が原因で遅延をだしてしまいはっきり経営者に嫌われていたので、そのうち僕も辞めさせられるだろうという話が僕と生き残った同僚との間でされるようになりました。

香港では数年単位で転職することが多く、辞めること自体は問題ではないのですが、ここでの一番の問題はそれがいつかわからないことです。1年後にだいたいこんなことをやる仕事に就きたいとおもっていれば、それに見合った能力を獲得するための勉強をし、その能力をしめすためのポートフォリオ作成ができないか考えます。でもその計画で進んでいるときに二か月後に辞めさせられたら計画が大きく狂います。

(というか、遅延は申し訳ないと思いつつも、デザイナーとのミスコミュニケーションで巻き戻して数日の遅延がでたというのは割とこの業界でよくあってそれを見越してスケジュールをたてるのが普通だと思うのですがどうなんでしょう?いづれにしてもクビにつながるようなミスはしてないはず…まあ向こうも本当はクビにするつもりはなかったかもしれませんが…)

次にやるプロジェクトが話と違う

この会社に入社するときは、現在のプロジェクトの次は日本向けの製品の開発になると聞いており、その際には日本に出張することもあると説明されていました。これは「香港の永住権はとりたいけどやっぱり故郷の食事と雰囲気がたまに恋しい」気持ちのある僕としては非常に良い条件でした。キャリア的にも、将来日本でも働ける可能性を残したい僕としては、日本向けの製品を開発するプロジェクトに携わっておければプラスになります。

しかし、かかわっていた製品がリリース直前になると、次のプロジェクトとして当初聞いていたプロジェクトとは内容も対象地域もまったく異なるものが設定されました。というか、その関わっていたプロジェクトも仕様変更多すぎで「実装が仕様」状態でしたので、プロジェクトがまるっと変わること自体はもっとはやく予想すべきでした。この会社の当初思っていた魅力がなくなったので長く勤める理由もなくなりました。

仕事はどうやって探した?

こういうのを「縁」というんでしょうか?

ちょうど今回入社した会社では日本語を話せる技術者が退職し、日本語での技術サポートが提供できなくなった段階でした。そこで会社は代わりに募集し、その際の条件としてもっていたのは「日本語が話せること」「技術に明るいこと」「香港に住みたいこと」でした。この会社は英国資本なんですが、アジア太平洋地域の中心を香港に置いており、技術サポートを行う上で必要なトレーニングなどは基本的には香港で行う必要がありました。日本で物理的にやらなければならない仕事もあるのですが、その際に出張させるほうが日本で技術者を雇うよりもずっと都合がいいわけです。

なので当然会社は香港で募集するのですが、日本語を話す香港人の応募する動機は「日本に住みたいから」であり、能力とは全く関係ないこの一点だけがほとんどのライバルには満たすことができませんでした。香港で募集しているのに「香港に住む」という部分がだれも満たせなかったのはなかなか珍妙ですが、この不思議な状況に僕の境遇がちょうどうまくはまり結果として採用されることができました。

新しい職場は?

簡単に人を切るかどうかは分かりません。すでにクビになったひとの話を聞きましたが(笑)

その例ではなかなかに盛大なミスを数回にわたって引き起こしたようで、まわりの同僚からはクビになって当然みたいな雰囲気で話していました。会社や上司から追い込まれたという話は聞かないので、少なくとも以前の職場よりはずっとよいかと思います。

では、どれくらい日本に帰れるか、ですが面接の段階では年に3-4回だと聞いています。すでに日本法人があり、その出張の理由もセキュリティ上外国からのアクセスを許していない顧客のメンテナンスに同席する必要があるから、という具体的なものですから、コロナ禍が去れば実現する見通しは高いでしょう。それに加えて必要な商談などがあれば追加で日本に行ける可能性もありますので、日本の食事を楽しみ、旧い友人に顔を買わせ、ほしい日本製品を補充するには十分な頻度でいけそうな気がします。

というわけで前社の合わなかった部分に大きな改善があり、若干給与も上がりましたので転職としてはよい方向に転んだのかなと思っています。

スキル的には一種の博打かも

起業の機会を狙いつつも主要なキャリアの流れとして

  1. 技術的な基礎を開発者としてしっかり据える
  2. だんだんとプロジェクトマネージャーやITコンサルといった技術的な背景を活かせるビジネス志向のポジションに移っていく

というものを考えていました。こういった何でもやる系の人は、分業の利点を考えれば最終的には「開発専門の人」「経営・コンサル専門の人」にいろんな観点で優位を取られるんですけど、自分のなりたい像として「技術的な知識を活かして商業的な価値に向き合える人」というのがあるので仕方ないですね。

前回の職業はフルスタックエンジニアで、今回の職業はプリセールスオペレーションエンジニア。

プリセールスエンジニアというのは技術的な観点から、顧客に対して自社システムの説明を行ったり営業を支援したりする仕事です。普段の技術面の基礎は運用業務を通じて身につけていきながら、よりビジネスに近い環境で働けるという意味で僕のキャリア設計では一歩進んだ感じもあります。とはいえ、自分のなかではちょこっと博打みたいになってしまったかな、という印象があります。

まず、開発から離れるのが早かったかな、という思いがあります。これまでで合計で2年に足らないほどしか開発に従事した経験がなく、さすがに開発の専門性がある人とはいえません。一応「運用業務は会社でしかできないが、開発の知識は自分の趣味で獲得することもできる」という思いから前々から運用業務に関心はあったのですが、それでも開発の経験を重ねながら運用の知見が身につくならDevOpsエンジニアになるという選択肢もありました。あとは運用業務ではどうしてもルーティンワークや技術以上に自社製品の理解が中心になるので、やや技術的な成長が遅くなるのを懸念しています。開発からこの早い時期に離れることで「最終的になりたいもの」よりも「技術的な理解」の比重を落としてしまう心配をしています。

キャリア的には現時点で後続の仕事があまりイメージできていないのも博打感があります。

運用経験がつくわけですからDevOpsエンジニアも可能性があるとは思いますが、それはそれで最終的になりたい職業を考えるとすこし後退している感じもしてしまいます。あと関係がありそうなものとしてソリューションエンジニアとかも近いのでしょうか?

技術職以外でもなかなかイメージしやすい後続のキャリアがありません。プロジェクトマネジメントやITコンサルタントはプリセールス業務経験が直結する印象はありませんし、近くで仕事をする営業はプリセールス業務とは関係のない部分で営業独自のスキルが高度に必要になる印象があるのでなかなか今の仕事の後続としてはいい候補ではなさそうです。